擁壁工事とは?
擁壁工事とは、高低差のある土地の斜面がなるべく崩れないように、擁壁を設置する工事のことを言います。
高低差2メートル以上ある土地を所有している場合、擁壁を設置する必要があります。
また、各自治体に許可申請が必要となってくるでしょう。
高さ2メートル以下の高低差であっても、擁壁工事を行うことは可能です。
高低差のある土地の上に建物を建てると建物からの圧力などにより、 斜面が崩れてしまう可能性もあるでしょう。
ちょっとした高低差であっても、斜面が崩れてしまうというのは危険ですので、注意が必要です。
高低差のある土地の斜面がなるべく崩れないようにするためにも、擁壁工事は重要な工事となってくるでしょう。
擁壁工事に使われる素材には、さまざまな種類がありますが、一般的に多く使われているのが鉄筋コンクリートです。
鉄筋コンクリート擁壁は、垂直に建てやすく敷地を有効に活用しやすいなどのメリットがあるでしょう。
また、鉄筋コンクリートの中でも、大まかに3種類の工法があり、高低差のある土地の高い方に建物を建てる場合は 、L字型擁壁が多く用いられています。
一方で、建物を高低差の低い方に建てる場合は、逆L字型擁壁が用いられていることが多いです。
隣の敷地などとスペースに余裕がある場合は、逆T字型擁壁が設けられている場合もあるでしょう。
擁壁の耐用年数は?
擁壁の耐用年数は、擁壁が設置されている場所や擁壁の厚さなどによっても大幅に異なる可能性があります。
およそでは、30年から50年くらいと言われています。
しかし、擁壁を設置してから30年間ずっと放置していても良いのかというとそうではなく、定期的に点検やメンテナンスが必要となってくるでしょう。
排水がきちんと行われていない擁壁などは、耐用年数が短めになる傾向があるようです。
擁壁にはメンテナンスが必要?
擁壁は経年劣化したり、地震などの災害によって崩壊しやすくなったりしてしまっている可能性もあります。
なるべく擁壁の崩壊の危険性をを減らすためにも、定期的なメンテナンスが必要になるでしょう。
排水がスムーズに行われているかなども確認が必要です。
擁壁の補修作業や解体・撤去作業が必要な擁壁がある場合、早めに対応しないと危険でしょう。
補修作業や解体・撤去作業が必要な擁壁について
どういった擁壁に、補修作業や解体撤去作業が必要となってくるのでしょうか?
擁壁の状態によっては 、補修作業で済む場合もあれば解体撤去をし、擁壁を新設する必要が出てくる可能性もあります。
例えば、以下などの場合、擁壁の劣化が進んでしまっている可能性があるため、倒壊の危険性も高まっていると言えるでしょう。
- 擁壁にひび割れがある
- 擁壁に苔が生えている
- 擁壁が湿っている
- 水抜き穴に草や土がたまっている
まず、ひび割れですが、ひびが入っている所から水分が侵入し、擁壁の劣化を早めてしまう可能性があります。
ひび割れを見つけたら早めに補修作業か解体撤去作業が必要となってくることもあります。
擁壁に苔が生えていたり、擁壁が湿っていたりする場合、排水がスムーズに行われていなかったり、そもそも水抜き穴が設置されていないという可能性も考えられるでしょう。
水抜き穴には草や土などが溜まりやすく放置していると、ちゃんと排水ができていないケースも見受けられます。
擁壁が膨れているといった場合などにも 、擁壁の崩壊の危険性が高まっている可能性があり、大変危険です。
擁壁の補修作業が必要か解体撤去作業が必要か自分ではわからないという場合もあるかと思います。
そのような場合は、専門の業者さんに確認してもらうのが良いでしょう。
擁壁工事の費用について
擁壁工事の費用は、擁壁工事を行う場所や擁壁の素材、大きさなどによっても異なってきます。
相場は1平方メートル当たりおよそ3万円から10万円ほどといったところでしょう。
擁壁の素材は、鉄筋コンクリートの擁壁が高めの金額になる傾向があります。
工事を行う場所付近の道路の道幅が狭く、大型の車両が通らない場合などは、資材などを長距離人力で運ばなければいけなくなる可能性もあります。
このような手間や時間が多めにかかってくる場合、工事費用が高額になりやすいです。
擁壁が補修作業で済む場合は、補修費用がかかってきます。
解体撤去作業が必要な場合は、解体撤去作業の費用プラス擁壁を新設する費用が必要になってくるでしょう。
補修費用
補修作業の費用は、補修作業の内容によっても大幅に異なる可能性があります。
小さなひび割れを直す程度でしたら、1平方メートルあたりおよそ1万円から3万円程度で補修が行えます。
擁壁を解体・撤去し、新設する場合よりも、補修作業で済む場合の方が安く済みやすいと言えるでしょう。
解体・撤去作業の費用
擁壁工事の解体撤去作業を行う際には、解体撤去作業の費用がかかってきます。
劣化している擁壁やひび割れ、膨れている擁壁などの場合は、擁壁を解体撤去してから新たに擁壁を設置する必要が出てくるかもしれません。
擁壁の解体撤去作業の費用は、擁壁の大きさや厚さ、工事を行う周辺の道路の状況などによって大幅に異なってくる可能性があるでしょう。
補助金制度について
擁壁工事には、自治体によって補助金制度が利用できる場合があります。
補助金制度を利用できる条件に該当する場合、補助金制度を利用することができるでしょう 。
補助金制度の内容は、各自治体によって異なる可能性があります。
例えば、補助してくれる金額や補助してもらうための条件などは、各自治体によって定められているでしょう。
高低差のある土地の上に建物を建てる予定があり、擁壁工事が必要という場合は、早めに補助金制度についても確認しておくのが良いかもしれないです。
まとめ
擁壁は、 一般的に耐用年数が約30年から約50年と言われています。
しかし、30年経過していなくても定期的にメンテナンスは必要です。
擁壁の状態によっては、補修作業や解体撤去作業などが必要になってくる可能性があります。
擁壁にヒビが入っていたり、擁壁が膨れていたり、擁壁にコケが生えていたりしている場合などは、倒壊の危険性が高まっている可能性があるでしょう。
擁壁に補修作業が必要か、解体撤去作業が必要かは、自分たちだけで判断するのは難しい場合もあるかもしれないです。
専門の業者さんに確認してもらい、補修作業や解体撤去作業が必要と判断された場合、補修作業や解体撤去作業にかかる費用などを見積提示してもらうと良いでしょう。