擁壁工事について
擁壁工事とは、道路より高い土地の上に家を建てる際などに、斜面が崩れないように擁壁を設置する工事のことをいいます。
斜面と言うと田舎の方にある崖などをイメージするかもしれませんが、擁壁は、住宅街などでも見かけることができます。
擁壁工事の費用は 、 擁壁工事を行う場所の環境や擁壁工事の内容などによって大幅に異なる可能性があるため、目安ですが1平方メートルあたり約3万円から約10万円ぐらいかかってくるでしょう。
これから高低差のある土地に住む際などには、擁壁工事を行う必要が出てくるかもしれません。
また、すでに擁壁がある場合でも擁壁が劣化していたり、ひびが入っていたりする場合などは、擁壁工事を行う必要が出てくる可能性があるでしょう。
擁壁工事を行う必要があるのか確認したい場合は、専門の業者さんに確認してみることです。
擁壁の種類
擁壁には、大まかにわけて以下の3種類あります。
- 鉄筋コンクリート擁壁
- 石積み擁壁
- コンクリートブロック擁壁
3種類の中でも一番多く設置されているのは、鉄筋コンクリート擁壁です。
鉄筋コンクリート擁壁は垂直に立てやすいなどのメリットがありますが、費用は他の種類の擁壁に比べ高めの傾向があるでしょう。
鉄筋コンクリート擁壁の中にも、3種類の工法があり、 L字型擁壁・逆L字型擁壁・逆T字型擁壁というのがあります。
鉄筋コンクリート擁壁工事の作業の工程は?
鉄筋コンクリート擁壁工事の作業の工程は、大まかに以下のような流れで進められていきます。
- 掘削作業
- 床付け作業
- 基礎砕石作業
- 均しコンクリート作業
- 鉄筋組立作業
- 基礎コンクリート作業
- 足場組立作業
- 型枠組立作業
- 型部コンクリート作業
- 型枠取り外し作業
- 止水コンクリート作業
- 埋め戻し作業
以下では、それぞれの工程についてご紹介していきます。
掘削作業
測量や設計業務などを終わらせてから、掘削作業に取りかかっていきます。
床付け作業
掘削により発生した土を処分などし、地盤改良が必要な場合は、地盤改良を実施します。
基礎砕石作業
床付け面の上に砕石を敷均します。高さは約20cmくらいです。
敷均したら、締固めします。
均しコンクリート作業
基礎砕石の上に均しコンクリートを施します。
鉄筋組立作業
コンクリートを補強するための、鉄筋を組み立てていきます。
鉄筋には、6mmのものから32mmのものなど様々な太さのものがあります。
基礎コンクリート作業
底版部分に、基礎コンクリートを打設していきます。
足場組立作業
擁壁工事は、高いところで作業をする必要が出てくる可能性があるため、足場を組み立てていきます。
型枠組立作業
壁部分の型枠を組み立てていきながら、水抜きパイプを配置していきます。
型部コンクリート打設作業
コンクリートポンプ車などを使用しながら、壁部のコンクリートを打設していきます。
型枠取り外し作業
コンクリート養生期間が過ぎ、コンクリートが固まったら型枠を取り外していきます。
止水コンクリート作業
止水コンクリートを設置します。
埋め戻し作業
擁壁の背面に土を埋め戻していきます。
既に擁壁がある場合は解体・撤去作業が追加
既に擁壁がある場合、劣化していたり、ヒビが入っていたり、現在の建築基準法に合っていなかったりする場合は、解体撤去作業をしてから新しく擁壁を設置し直す場合もあります。
そういった場合は、上記でご紹介しました擁壁工事の工程の前に、解体撤去作業が追加されるでしょう。
工作物確認申請・宅地造成の許可が必要な場合も
擁壁工事を行う前には、工作物確認申請や宅地造成の許可が必要な場合もあります。
擁壁工事は高低差2メートル 以上ある土地の上に家を建てる場合などには、工作物の確認申請が必要になることが多いです。
宅地造成工事規制区域で擁壁工事を行う際には、 一定の条件に該当した場合、宅地造成の許可が必要になってくる可能性もあるでしょう。
例えば、500平方メートル以上の面積で宅地造成工事を行う場合や、切土と盛土を同時に行い、合わせて高さ2メートル以上の崖を生じる宅地造成工事を行う場合などは、宅地造成の許可が必要になってきます。
工作物の確認申請や、宅地造成の許可が必要か確認したい場合は、各自治体に確認してみると良いでしょう。
まとめ
擁壁工事の工程は、今回ご紹介しました通り、様々な工程があります。
既に擁壁があり解体撤去してから擁壁を新設する場合は、擁壁工事の工程の前に解体撤去作業が追加されるでしょう。
また、擁壁工事を行う前には、工作物の確認申請や宅地造成の許可が必要な場合もあります。
各自治体に申請を出す必要があるかどうかわからないという場合は、各自治体に確認してみるのが良いでしょう。
後は、今回ご紹介しておりませんが擁壁工事には補助金制度が利用できる場合もあります。
助成金について気になる方は各自治体に問い合わせてみると良いでしょう。