擁壁工事が必要な場合とは?擁壁工事の許可申請が必要な場合もある!

擁壁工事が必要な場合とは?擁壁工事の許可申請が必要な場合もある!

擁壁工事をする必要がある場合とは一体どういったときなのでしょうか?

また、擁壁工事をする際は届出などが必要なのでしょうか。

今回の記事では、擁壁工事が必要な場合や擁壁工事をする際の許可申請が必要な場合についてなどをご紹介していきます。

擁壁工事とは何か?

擁壁工事とは、簡単に言うと傾斜のある土地が崩れないように壁を作る工事のことをいいます。

例えば、これから購入する予定の土地に傾斜がありその上に家を建てる場合などに擁壁工事を行います。

擁壁工事の素材の種類には、大まかに分けると3種類あり、一般的に多く建てられているのが鉄筋コンクリート擁壁です。

他には、ブロック積み擁壁や石積み擁壁などがあります。

鉄筋コンクリート擁壁の工法にも種類があり、L字型、逆L字型、逆T字型などがあります。

擁壁工事が必要な場合とは?

擁壁工事が必要になってくる可能性があるのはどのような場合なのでしょうか。

具体的には以下などが挙げられます。

  • 2メートル以上高低差のある土地で擁壁がない場合
  • 道路より敷地が高くて擁壁がない場合
  • 既存の擁壁が劣化している場合
  • 既存の擁壁が現在の建築基準法に合っていない場合
  • 隣の敷地よりも自分の敷地の方が低い場合

以下で、それぞれの擁壁工事が必要になる可能性がある場合についてご紹介していきます。

2メートル以上高低差のある土地で擁壁がない場合

自治体によって測定方法は異なりますが、高低差が2メートル以上ある場合は擁壁工事を行う必要が出てくるでしょう。

高低差が2メートル以上ある土地というのは、がけ条例という条例で擁壁を設置することが義務付けられています。

また、高低差が2メートル以上ない場合でも、土砂崩れなどの危険性がある場合などに擁壁工事を行うことも可能です。

道路より敷地が高くて擁壁がない場合

こちらも2メートル以上高低差がない場合でも、道路より敷地が高くて擁壁がない場合は擁壁を作る必要が出てくる可能性もあります。

2メートル以下の高低差の場合は擁壁工事をしなくてもよいのではと思われるかもしれません。

しかし、高低差がある土地の上に家を建てるということは、家の重さで斜面が崩れてしまうという場合もあるかもしれません。

道路よりも敷地が高いという場合は、安全のためにも擁壁を作った方が良いという場合もあるでしょう。

既存の擁壁が劣化している場合

これから購入する予定の土地に既存の擁壁があるという場合でも、擁壁が劣化している場合には注意が必要です。

古い擁壁などは、擁壁にひびが入っていたり、水抜き穴から茶色い水が出てきていたり、経年劣化してしまっていたりする場合もあるでしょう。

既存の擁壁が劣化している場合などは、擁壁の補修作業が必要であったり、場合によっては擁壁を解体撤去し新規の擁壁を設置する必要が出てくるでしょう。

既存の擁壁が建築基準法に合っていない場合

既存の擁壁が建築基準法に合っていない場合にも、擁壁を解体撤去し新規で擁壁を設置する必要が出てくる可能性があるでしょう。

建築基準法に合ってない擁壁というのは、例えば石を積んだだけの擁壁というのは擁壁と認められておらず、石と石をコンクリートなどで繋げる必要があります。

すでに擁壁が設置されていて劣化はしていないという場合でも、建築基準法に合っていない場合には建て直しが必要になる可能性があるため注意が必要です。

隣の敷地よりも自分の敷地の方が低い場合

隣の敷地よりも自分の敷地の方が低いという場合にも、注意が必要です。

自分の敷地が隣の敷地よりも低い場合、日当たりが悪くなってしまう可能性があるでしょう。

そのために盛土をする場合などは、やはり擁壁工事を行う必要が出てきます。

高低差のある土地に建物を建てたり住んだりする場合などは、低い土地にいる場合でも高い土地にいる場合でも、擁壁工事を行う可能性があるということは覚えておくとよいでしょう。

擁壁工事の許可申請が必要な場合もある

擁壁工事は、がけ条例というものが大きく関わってくる可能性があります。

がけ条例というのは、自治体によって定められています。

また、がけ条例の内容も各自治体によって異なる場合があるでしょう。

例えば、高低差が2メートル以上ある土地に家を建てる場合は自治体に申請しなければいけない、高低差の2倍以上の距離を水平に取る必要があるという条例などが挙げられるでしょう。

各自治体のがけ条例に記載されている擁壁を設置する必要がある場合に当てはまる場合などは、各自治体に申請をして許可をとってから擁壁工事を行う必要があります。

また5メートル以上の高低差がある土地の場合、急傾斜地崩壊危険区域として指定されていることが多く、 その場合の擁壁工事も都道府県に申請をして許可を得る必要があるでしょう。

宅地造成工事規制区域という地域に該当している場合も、申請をして許可を得る必要が出てくるケースというのがいくつかあります。

例えば、宅地造成工事規制区域内で、2メートル以下の高低差の場合でも、宅地造成面積が500平方メートルを超える工事を行ったり、切り土と盛土を同時に行い、合わせて2メートル以上の高さの崖を生ずる工事を行う場合などは、各自治体に申請をして許可を得る必要があります。

まとめ

擁壁工事は、2メートル以上の高低差がある土地 に住む場合などに必要になってくる可能性がある工事です。

また、既存の擁壁がある場合でも、既存の擁壁が劣化していたり建築基準法に合っていなかったりする場合などは、既存の塀を撤去解体し新規で再度擁壁を設置する必要が出てくる可能性もあるでしょう。

擁壁工事を行う必要があるかどうかというのはがけ条例というものが大きく関わってくる可能性があります。

がけ条例で擁壁を設置する必要がある場合に当てはまっている場合は、各自治体に申請をし許可を得る必要が出てきます。

がけ条例の内容というのは各自治体によって異なる場合もありますので、 高低差のある土地で家を購入する際などには、がけ条例の内容を各自治体に確認してみるのが良いかもしれません。

また既存の擁壁がある土地を購入する際にも、既存の塀が劣化していないか建築基準法に合っているのかは、確認しておくと良いでしょう。